ロレックスも採用した「ゼニス・エルプリメロ」|魅力と搭載モデルを紹介
高級腕時計ブランドとして、最高峰に位置する知名度と人気を誇るロレックスは、そのハイクオリティなコレクションでも高く評価されるブランドです。
ここでは、そんなロレックスに搭載されていた他社製ムーブメント「ゼニス・エルプリメロ」について解説します。1969年にリリースされた数十年前のムーブメントながら、現在でも非常に高い人気を誇るエルプリメロが持つ魅力を、この記事で詳しくお伝えできれば幸いです。
目次
多くの高級腕時計が採用!ゼニス・エルプリメロの特徴とは?
「ゼニス」は1865年に創業したスイスの時計ブランドで、ムーブメントも含めた腕時計の製造を全て自社で担うマニファクチュールであることが知られています。
その卓越した時計の製造技術は世界中が認めるところであり、他社ブランドにもムーブメントを提供しています。
まずは、そんなゼニスのムーブメント「エルプリメロ」について解説します。
1969年にリリースされたムーブメント
腕時計にある程度精通している方であれば、この「エルプリメロ」という名前にも聞き覚えがあるかと思います。エルプリメロは150年以上の歴史を持つ腕時計ブランド「ゼニス」の最高傑作とも呼べるムーブメントで、1969年にその初号機がリリースされました。
最近では2021年にその最新版が登場しており、50年以上もの間改良が重ねられてきた、歴史あるムーブメントとなっています。
5Hz駆動に対応していて高精度
1969年に登場したエルプリメロは、当時の時計業界においてあまりに革新的なムーブメントでした。その最たる特徴は振動数にあり、5Hz(毎秒10振動)を実現したハイビートムーブメントであったのです。
5Hzのムーブメントは0.1秒までの計測が可能であり、現在の主流が4Hz(毎秒8振動)であることを考えると、当時としては極めて高水準のスペックであったことがわかります。
最大60時間の長時間動作に対応
エルプリメロが優秀とされているのは、そのハイビートが生み出す高精度以外にも理由があります。それが最大60時間のパワーリザーブです。
パワーリザーブは、ゼンマイを最大まで巻き上げた状態から何時間連続で駆動するかを示したもので、腕時計の性能を知る上で重要なポイントとなります。
エルプリメロの60時間というパワーリザーブは優秀と言えるでしょう。例えば、金曜日にビジネスを終えて時計を外し、休日は使わなかったとしても、月曜日の朝にゼンマイを巻き直す必要がありません。
多くの高級腕時計ブランドが採用
ゼニスは腕時計ブランドであると同時に、多くの高級腕時計ブランドにムーブメントを提供する時計メーカーとしての側面もあります。
そのムーブメントは、ロレックス、タグホイヤー、パネライ、ウブロといった数々の有名ブランドに採用されたことがあり、ゼニスの時計製造技術は名実ともに優れていることが証明されています。
【ロレックス デイトナ(Ref.16523)】ゼニス・エルプリメロ搭載の初代自動巻きモデル
ここからは、エルプリメロを搭載したロレックスについてご紹介していきます。
このRef.16523は1988年に登場した「コスモグラフ デイトナ」モデルで、現在と同じくクロノグラフとタキメーターが搭載されたスポーティなモデルとなっています。
また、いわゆる4桁リファレンスから大きくモデルチェンジを遂げた一本であり、現行モデルにも通ずる仕様が多く盛り込まれています。
ゴールドメインのゴージャスなデザインが魅力
本作はベゼルやブレスレットにイエローゴールドを使用したコンビモデルであり、その存在感のあるゴージャスなデザインが魅力となっています。
また、文字盤やタキメータースケールのブラックカラーはゴールドと抜群の相性を見せており、手元にスタイリッシュな印象を与えるモデルとなっています。
自動巻きを採用した初代デイトナ
本作にはキャリバー4030が搭載されており、振動数がそれまでのデイトナの4Hzから5Hzにアップグレードされています。
さらに、このエルプリメロの搭載によって本作はそれまでの手巻き式から自動巻式に変更されており、その後のデイトナには一貫して自動巻式が採用されるようになりました。
つまり、本作は初めて自動巻を採用したデイトナモデルと呼べるのです。
中空パーツ使用で軽量
コスモグラフ デイトナはプロフェッショナルの使用を見越した実用的な腕時計ですが、ゴールドとのコンビモデルとなるとその重量が気になるところです。
しかし本作では、ブレスレット中心のゴールド部分を中空にすることで大幅な軽量化に成功しています。この仕様は現行のコンビモデルには採用されていません。
製造時期によって仕様が異なる
約13年間製造されていた本作ですが、その間に何回かのマイナーチェンジが行われており、製造時期によって少しずつその仕様が異なります。
製造本数が少ないものは中古市場で高く取引される可能性があるため、購入前に色々調べてみるのも面白いかもしれません。
【ロレックス デイトナ(Ref.16520)】ゼニス・エルプリメロ搭載で耐久性に優れたモデル
続いてご紹介するのは、エルプリメロを搭載したデイトナの定番モデルです。ステンレススティールを採用したその王道的なスポーツデザインが魅力の本作は1988~2000年にかけて製造されていました。
現在では、エルプリメロ搭載ということで中古市場にて人気の高いモデルとなっています。
搭載しているムーブメントはCal.4030
本作には、前項でご紹介したRef.16523と同様にキャリバー4030が搭載されています。
このムーブメントは、エルプリメロの自動巻クロノグラフムーブメントをロレックスがデイトナ専用にチューニングしたもので、高い精度と約52時間ものパワーリザーブを備えています。
10気圧防水に対応
本作ではサファイアクリスタルが風防に使われており、10気圧防水に対応しています。アクティブなシーンに対応できるようになったのは、デイトナのようなスポーツウォッチにとって非常に魅力的なアップグレードと言えるでしょう。
なお、現在のスポーツウォッチにおいてこの防水性は不可欠の性能となっていますが、実際に高い防水性がスポーツモデルに備わり始めたのはこの頃のことになります。
ステンレススチールを使用
本作には、スポーツウォッチとしてはポピュラーなステンレススティール製のケースが採用されています。
ロレックスの腕時計に関しては、ゴールドモデルより使いやすいステンレススティールモデルの方が人気のある場合が多く、中古市場での取引価格には大きな差がつけられることもあります。
ロレックス以外にもゼニス・エルプリメロを採用した時計は多数存在
先ほどもご紹介した通り、ロレックス以外にもゼニス・エルプリメロを採用したブランドは多数存在しています。
ここでは、エルプリメロを採用した代表的なモデルを、「ゼニス」「タグホイヤー」「パネライの」3ブランドからピックアップしてご紹介いたします。
傑作ムーブメントの性能を実感してみたい方はぜひ参考にしてみてください。
[ゼニス]クロノマスター スポーツ
当然ながら、製造元であるゼニスからもエルプリメロを搭載したモデルは登場しています。
このクロノマスタースポーツはローズゴールドを使ったコンビモデルで、色合いに変化を持たせた3つのインダイアルが特徴となっています。このインダイアルは、王道的なクロノグラフのデザインに独自のエレガンスを与える、クロノマスターのアイコニックなディテールと言えるでしょう。
なお、クロノマスターとはゼニスを代表するクロノグラフモデルであり、0.1秒単位まで計測できるクロノグラフ機能が魅力のスポーツモデルです。
[タグホイヤー]モンツァ キャリバー36
「モンツァ キャリバー36」はタグホイヤーが販売していたクロノグラフモデルであり、クラシックカーのようなその独特なケースフォルムが最大の特徴となっています。
また、本作に搭載されるキャリバー36はエルプリメロのクロノグラフモデルをベースにタグホイヤーが改良したものであり、2000年代のモデルながらそのスペックは現代でも通用します。
なお、その名前はイタリアのサーキットコースにちなんで名付けられました。
[パネライ]ルミノールクロノグラフ
1860年のブランド創業以来、軍用ウォッチのみを製造していたパネライが、一般向けに腕時計を製造し始めた初期の頃のモデルです。
タキメーターとクロノグラフ、デイト機能を備えるスポーティな実用派モデルとなっており、中古市場では、エルプリメロを搭載した希少モデルであるために高い人気を集めています。また、パネライらしいデザインが放つシンプルな高級感も魅力となっています。
ちなみに、パネライからはロレックス製のムーブメントを搭載したモデルも過去に登場していました。
ロレックスのゼニス・エルプリメロ搭載モデルはすでに生産終了
残念ながら、当記事でご紹介したゼニス・エルプリメロ搭載のコスモグラフデイトナ2種は、2022年時点ですでに生産を終了しています。そのため、新品を手に入れることはほぼ不可能に近く、中古販売業者を頼るほかありません。
また、これらのモデルはエルプリメロを搭載した希少なロレックスというだけでなく、自動巻やサファイアクリスタルガラスが初めて採用された記念すべきモデルとなっています。
そのため、中古市場でも人気があり比較的高値がつけられることが多くなっています。もし購入を検討するのであれば、それなりの出費を覚悟しておく必要があるでしょう。
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まとめ
当記事では、過去にロレックスにも搭載されていた「ゼニス・エルプリメロ」について、その特徴や採用モデルを詳しく解説いたしました。
他社製ムーブメントを搭載するロレックスの中でも、このエルプリメロモデルは非常に希少であり、現在でも多くの人から注目を集める存在となっています。
中古市場で見かけた方は、ぜひその完成度の高さを手にとって確かめてみてください。