ロレックスのガラスの傷は自分で直せる?風防の種類や特徴を解説
ロレックスは実用性、知名度に優れるスイスの高級腕時計ブランド。そのコレクションは普段使いからプロユースに向けたものまで多種多様なものが登場しており、世界中の愛好家から高い評価を集めています。
さて、ロレックスのコレクションは実用に足る優れた耐久性を備えていますが、ガラスに関してはどうしてもぶつけるなどして傷付いてしまう場合があります。
そこで当記事では、ロレックスの腕時計のガラスにキズがついてしまった際の対処法について詳しく解説します。
目次
腕時計のガラス(風防)は3種類ある
腕時計の顔とも言えるダイアルを保護するガラスは「風防」とも呼ばれ、腕時計の視認性や耐久性、防水性に大きく影響する部品です。また、単にガラスと言ってもその素材は腕時計の歴史の中で改良が加えられており、現在では大別して3種類の素材が使用されています。
ここでは、現代の腕時計のガラスに使用される素材について、その特徴やメリットを詳しく解説します。
プラスチック(アクリルガラス)風防
一般的なガラス素材が普及する以前、腕時計の風防にはアクリルガラスに代表されるプラスチック素材が主に採用されていました。このプラスチック風防は強度を高めるためにドーム型になっているのが特徴的で、現在ではあまり採用されていませんが、アンティークモデルなどに広く使用されているのを確認できます。
プラスチック素材であるため加工性には優れていますが、その分耐久性は低く、衝撃によって傷ついたり割れてしまったりすることも珍しくなかったようです。
最近ではスピードマスタープロフェッショナルが初代ムーンウォッチをオマージュした硬化プラスチックガラスを採用したことで話題を呼びました。
ミネラルガラス風防
ミネラルガラス風防は、ガラスが広く普及するようになった1970年代から広く採用されている風防です。現在では腕時計における最も一般的な風防となっており、ほとんどの安価な腕時計はこれを採用しています。
なお、風防に使用されるミネラルガラスは特殊な加工が施されており、プラスチック風防に比べて耐久性が増しています。
しかし、プラスチック風防ほどではないにしろ衝撃によって破損することも珍しくないため、高級腕時計や過酷な環境に向けたプロフェッショナルモデルなどにはほとんど採用されない風防となっています。
サファイアクリスタル風防
ミネラルガラスと同じ1970年代から使用され始めたサファイアクリスタルは、高純度の酸化アルミニウム素材「アルミナ」を用いて作られた人工ガラスです。
非常に高い硬度を誇る素材であり、宝石と同程度の傷付きにくさに加えて、耐熱性や光の透過率にも優れているため、腕時計の風防に最もふさわしい素材と言えます。
しかしその反面、製造コストが高いというデメリットがあるため、安価な腕時計に採用されることはほとんどありません。高級腕時計やプロユースモデルのような腕時計にのみ採用される風防となっています。
ロレックスのガラス(風防)の傷は直せる?
さて、実際にロレックスのガラス(風防)に傷が付いてしまった場合、研磨などで修理できるかについてですが、その是非はガラスの素材や傷の深さによって大きく変わってきます。
ここでは、上記でご紹介した3種の風防ごとに、その傷付きやすさや交換となる条件、研磨等で修理できるかについて、詳しく解説します。
プラスチック(アクリルガラス)風防の場合
プラスチック風防は非常に衝撃に弱く、硬いものがちょっと触る程度の些細なことでも、すぐに傷が付いてしまいます。
しかし、その分研磨ができるという特徴を備えており、浅い傷であれば磨くだけで簡単に消すことができます。
また、ロレックスの公式サービスでもガラスの研磨をしてもらえるため、メンテナンスに出せば部品交換無しで傷を消すことができます。
ただし、深い傷や割れに関しては研磨で消すことが難しいため、風防の交換が必要となります。
ミネラルガラス風防の場合
ミネラルガラス風防はプラスチックのそれに比べて、傷付きにくいものとなっています。しかし、強い衝撃等が加われば簡単に傷が付いてしまうため、こちらも乱雑な取り扱いをしないよう注意が必要です。
また、ミネラルガラス風防はガラス素材であるため、基本的に研磨で傷を消すことができません。
そのため、大きな傷が付いた場合や、割れてしまった際には交換が必要となります。ただし、ミネラルガラスの研磨を取り扱っている業者もあるため、そちらを利用してみるのもひとつの手です。
サファイアクリスタル風防の場合
サファイアクリスタル風防は、モース硬度「9」を誇る非常に傷付きにくい風防です。
この硬度は傷付きにくい宝石で知られるサファイアと同等であり、その名前の由来にもなっています。そのため、この風防は非常に強い力や衝撃が加わらない限り、傷付いたり割れたりすることはほとんどありません。
しかし、万が一そうなってしまった場合は研磨による傷消しは不可能であるため、風防の交換が必要となります。その際はある程度の出費は覚悟すべきでしょう。
ロレックスのガラス(風防)の傷は自分で直すべき?
前項で、プラスチック風防の傷は研磨によって消せることをご紹介しました。
しかし、パソコンやスマートフォンなどの電子機械は、自ら修理することで保証が効かなくなったり、その価値が下がったりすることで知られています。
これは腕時計に関しても同様であり、修理などで自分の手を加えることにはそれなりのリスクが伴います。
自分で研磨する場合は自己責任
プラスチック風防は市販の研磨剤などを使えば自宅でも簡単に研磨することができます。
しかし、下手に触って余計に傷を広げてしまい、価値が下がるリスクもあるため、全て自己責任で行う必要があります。
また、プラスチック風防は近年大きく数を減らしているため、交換のコストも高くなっています。余計なコストの支払いを避けたい場合は、業者に依頼して傷を消すのが最も無難と言えるでしょう。
なお、ミネラルガラスやサファイアガラスはそもそも簡単に研磨できるものではないため、傷が気になる方は業者に交換や研磨をお願いするのが基本となります。
ロレックスのアフターサービスも検討しよう
風防に傷が付いてしまった場合は、ロレックスの公式メンテナンスサービスを利用するのもひとつの手です。
公式のアフターサービスではオーバーホールや部品交換が提供されており、規格に合っていない部品の交換や、ムーブメントの性能チェックなども行ってもらえます。ロレックスを長期間愛用したいのであれば、積極的に利用すべきでしょう。
ただし、アンティークロレックスなどは公式サービスの部品交換によってオリジナルの部品が損なわれ、その価値が落ちてしまう可能性があります。売却を考えているモデルであれば、民間業者を利用してメンテナンスを行うべきでしょう。
ロレックスはガラスの加工パターンも複数ある
ここまではロレックスのガラスの素材に注目して解説してきましたが、ロレックスでは腕時計の機能性を高めるために加工されたガラスも複数パターン存在しています。
ここでは、サイクロップスレンズに代表される有名なガラスを3つピックアップしてご紹介いたします。気になるモデルがあればぜひ一本手にとってお試しください。
【グリーンサファイアクリスタル風防】ミルガウス
ミルガウスは医師や放射性技師といった、強い磁場に晒されるプロフェッショナルに向けて開発された腕時計です。
一般的に磁力は腕時計にとって天敵とも言える存在ですが、このモデルでは耐磁性に優れるムーブメントに磁気シールドを採用することで、1000ガウスまでの磁力への耐性を実現しています。
2007年に登場した現行モデルでは耐傷性・耐食性に優れるグリーンのサファイアガラスを採用しており、稲妻を模したユニークな秒針も相まって、唯一無二の個性が魅力のコレクションとなっています。
【サイクロップスレンズ付きサファイアクリスタル風防】デイトジャスト
デイトジャストは、ロレックスの3大機構の全てを備える非常にアイコニックなコレクションです。ドレス、カジュアルに振り切らないスタンダードなデザイン性がその魅力であり、ロレックスの普段使い向けモデルとして圧倒的な支持を獲得しています。
そして、このデイトジャストの機能性を高めるのが、このサイクロップスレンズ付き風防です。ロレックスのほとんどデイトモデルに採用されており、拡大鏡のように日付を大きく見せてくれます。
【ドーム型サファイアクリスタル風防】チェリーニ
チェリーニは、独自の防水ケース「オイスターケース」を採用していない、数少ないコレクションです。エレガンスを重視したドレッシーなデザインを特徴としており、ほとんどのモデルが廃盤となった現代でも根強い人気を誇っています。
こちらの現行モデルで採用されているのが、ドーム型に加工されたサファイアクリスタル風防です。
耐久性を高めながらもクラシカルなテイストを腕時計に与えるため、ロレックスのクラシックウォッチに欠かせない要素と言えるでしょう。
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まとめ
当記事ではロレックスのガラスに傷が付いた際、どのように対処するべきかを詳しく解説いたしました。
ガラスを修理するためには業者に頼んでメンテナンスを行う必要があるため、修理に時間とコストが必要となります。また、サファイアガラスは高価であるため、部品交換についても痛い出費となる可能性があります。
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